右の眼窩

薄暗くて狭いところ

2018-01-01から1年間の記事一覧

私的歴代の解釈違いたち(あるいは公式が病気という話)

「『公式が解釈違い』はありえない」みたいなツイーを見たので私的「公式が解釈違い」の遍歴を書く。 1.PSPソフトエヴァンゲリオン2 人生初の「公式が解釈違い」がアレ。冬月先生どうしたの。何があったの。 当時まだいたいけなキッズだったので(ついでにエ…

努力に陥る怠惰

僕らはいつでも人生のチートコードを探していて、同時に「そんなもんはない」という理性の声も聞こえているから簡単に努力教に引っかかってしまう。努力というのは指向性や手段について個人ごとに検討しなくては結果なんて出ないものだし(間違ったフォーム…

死んだらどこへ向かうんだろう

迷宮壁を聞きながら「私たちが真に恐れているのは死ではなく自我の消失だ」と思ったので書く。 転生論とか天国地獄極楽とかなんか色んなものが死後のルートとして用意されている。厳密に言えば天国地獄は転生の前の話だった気がするし(そうだっけ?)極楽は…

倫理がわからないという話

寝付きが悪いあまり希死念慮に沈んだ思考が最終的に「種の繁栄という観点から見て人間の脳には無駄な機能が多すぎるのでは?」という考えに至ったのでその顛末を書く。 動物の基本原理は生存と種の繁栄だ。少なくとも人類は現在のホモ・サピエンスという形状…

トルストイはアンナ・カレーニナに曰く

私の脳内には常に大量の情報と文章とが飛び交っている。その多くはぱっと浮かんではぱっと消え、一秒もすれば思い出すことができない。仕事中は言語野が退屈しているのか、そのようなことが常に発生する。 仕事に詰まると、その思いつきを文章にまとめる。例…

愛情とか恋愛とか

冬場のMacBookは冷たい。アルミのボディがマジで冷たい。そのくせトラックパッドは手袋してたら操作できないし。概ね気に入っている端末だけれどこの点だけはどうしても肯定できない。 そんなわけで執筆は全然はかどらないのだけどとにもかくにも何か書かな…

システムのテスト用に何も考えず書いた文章

彼女が沈痛な面持ちで「話がある」と言い出したのですわ別れ話だろうかと思いながらついていってみた彼女の部屋で、彼女は引き続き沈痛な面持ちで「背中に羽が生えた」と言った。 「ついに?」 「ついにって何」 「いや、なんでもない」 彼女は天使みたいに…

読書感想文/君っち

「君は世界災厄の魔女。あるいはひとりぼっちの救世主」 読みました。最高でした。 最高の小説が最悪なのは記憶に強く残ってしまうところです。一度読んでしまったら二度と読む前には戻れない。頭にショックを与えるなどの方法で記憶を飛ばすしかない。記憶…

スピッツとかはるかな川小説大賞とか友だちの誕生日とか。

スピッツが頭から離れない。 一方ははるかな川小説大賞のせいであるし、もう一方は僕の世界一かわいい女の子の誕生日が近いせいだ。 青春生き残りゲーム。運命の人。ラズベリー。君は太陽。水色の街。恋する凡人。僕の青春は彼女であり、彼女との思い出には…

アキアカネ

外に出たら金木犀の匂いがして驚いた。つい最近まであんなに暑かったのに、もう秋なのか、そりゃ歳も取るわけだと毎年考えるようなことを今年も考える。花を知っているせいかあるいは夕焼けのイメージのせいか、金木犀の香りは橙色をしている。 私が一番最初…

日記 2018/09/14

はてなブログから「そろそろ更新しない?」というメールが来たので日記を書く。 今月、生まれて初めて精神科へ行った。 少なくとも十年死にたがって生きてきて、でもまあ死にたいながら死なずに(あるいは死ねずに)生きてきて、もう大丈夫だろうと思ってい…

サルベージ・2

曰く。 誰にでも夢を見る自由はある。 理想の自分。理想の快楽。理想の未来。 理想の他人。理想の恋人。理想の別離。 誰にでも安い夢を見る自由はある。 だが、その大半は悪夢だ。 理想の自分というものについて夢想する時、そこに自分は存在しない。生まれ…

サルベージ・1

十代の頃からあった厭世感が歳を重ねるごとどんどん強くなって別に死にたいわけじゃないけどそれ死でしか解決できないよねみたいな種類の歪みが自分の中に溜まっていって結果的に死にたいみたいな感じになる。 例えば人の感情の機微がよくわからないとか年齢…

わたくしが死ぬことに理由はありません。わたくしが死ぬことに、人様に誇れるような立派な絶望など何もないのです。お天道さまに背くような罪も、わたくしを殺しうるような凄絶な恋も、裏切りも、病も、何かの確執も、あるいは社会問題になりうるような酷使…

私はこと子に泣いてほしかった

江國香織さんの「流しのしたの骨」を読了してそろそろ数ヶ月、私なりに違和感の正体をこねこね考えていたのですけど、あれはたぶん「あの家族が破滅しなかったこと」に対する違和感なのだと思う。 まっとうっぽい理屈をこねればチェーホフの銃みたいな、「仲…

日記 六月十八日〜二十八日

梅と氷砂糖を勝ってきて瓶に詰め、ここから一年また生きるぞという強い意志を込めて40%以上のアルコールを部屋にあるだけ注ぎ込んだ。ジンとウォッカとウィスキーがあった。電気ブランとParaisoはさすがに入れなかった。しかし買ってきた瓶が必要以上に大き…

ショートショートを書いた

kakuyomu.jp まあまあタイトルの通りで「仙台市内で公開処刑が行われるならあそこだよな〜」と思って書いた。五千字ぽっちで新しい小説作るのもたるかったし雑文置き場でいっかと思ってそっちに投げたんだけど正直どれくらいから流血表現なのかよくわかって…

いいことをしたという話

漫画を買おうと思って本屋さんに向かう道中で白杖を持った三人組に出くわした。一人は地下鉄に向かうようで、残るふたりに手を振って「お気をつけて!」と笑っていた。見えないのに手を振るのか。見えないのに笑うのか。あるいはちょっとは見えてる人たちな…

Fate/Zero(漫画版)感想

Fate/Zero漫画版を全部読み終わりました。なぜ漫画版って、悪名高い人間オルガンを見たかったから。小説版は次に読みます。書籍代が膨らんでしまったので来月かな……。アニメ版はネットフリックスで見てる途中です(間桐雁夜が遠坂葵の首を絞めたところ)。アニメ版の…

人間を上手にやれない

昔からよくわからない言葉がいくつかある。とりわけ困るのが「もったいない」と「恥ずかしい」だ。他のいくつかは「ケースバイケース」とか「個人差」みたいなもので吸収されることが多いが、もったいないと恥ずかしいは個人差に収斂しないっぽい。 なにかを…

日記 六月十三日〜十五日

六月十三日 相談ごとのストックがいくつかある。そんなに困っているわけではなく、そんなに難しいわけでもない。誰かに「何か困っていることはある?」と訊かれたときに少しはにかみながら答える用の「困りごと」は、大抵の場合、苦笑いとともに受理される。…

最近のニュースについての雑感

誰でも良かった系の犯罪が起きると「誰でも良かったって言いつつ弱者を選んでるじゃないか」という種類の憤懣が目に入ってくるのだけどそんなの当然だろと思う。誰でもいいならリスクを低い方を取る、まったく当たり前だと思う。誰でもいいからこそ適当な弱…

日記 五月二十八日、二十九日

五月二十八日 「食べ物を粗末にするな」と言うときの食べ物の範囲について考え込んでいた。例えば庭の雑草を引っこ抜いて捨てるのは全然OKだけど田んぼの稲を引っこ抜いて捨てたらだめなんだと思う。たぶん自分ちの田んぼから引っこ抜いて捨てても怒られが発…

日記 五月二十一日〜二十五日

五月二十一日 腹が痛い。腰も痛い。ダルマ落としよろしくこの周りをスコーン! と抜いてしまいたい。ばーかばーか。病気でも異常でもなく毎月必ず腹と腰が痛くなるって人体の欠陥だろ。なんで人類数万年の歴史の中で克服できなかったんだこんなもん。怠慢だ…

日記 五月十四日〜十八日

友人と話をしていたらふと発達障害の話になり診断無いんだよねと言ったら病院に行けば二級くらい取れると思うみたいな返事をもらってそんな英検じゃないんだから。あれどうなんだろう、障害者を貶す人だとは思っていないしこちらに対しての悪意も見えなかっ…

エイプリルフール続行のお知らせと、最近の日記

心臓が持たない。 ここ数日で急に拙作「ポリ☆スト」のPVが一万くらい爆伸びして奇声を上げながら原因を探ったらニコニコ動画の動画の上にあるニュースのバー(伝われ)にリンクが貼られていたようで、ありがたいやら肝が冷えるやら。あれ特に連絡とか来ない…

日記・四月二十三〜二十七日

実家に泊まるとだいたい金縛りに遭う。私は声を出そうとしたり起き上がろうとしたり目を開けようとしたりして足掻く。休日なんていつ眠っていてもかまわないのだから眠っていればいいのだけど、自分の体が思い通りにならないというのはどうにも歯がゆく、つ…

日記・四月十六〜二十日

四月十六日 私は同音異字の安易な共通化(変える、代える、換える、替えるなど)については基本的に反対のスタンスを取っているけれども、サイトウさんのサイの字が三十一種類もあるのはさすがにばかじゃないかと思う。いくらなんでも限度ってものがある。せ…

かたちのない齟齬

仕事がしんどい。 具体的に、上司の指示がさっぱりわからない。 意味はわかる。意義はわかる。でもさじ加減という部分で致命的に理解が及ばない。 たぶん上司は私を育てるために曖昧な指示を出している。私が自分で考えて答えを導けるように。でも考えて考え…

死にたがりのための長期目標の建て方講座

というかでっち上げ方講座。 新年度です。 新年度is始まりの季節。 始まりの季節は気候につられてお脳のあったかくなった経営者なんかが「目標が大事だ!」「やりがいを探せ!」「達成感を自分で見つけろ!」とぱっぱらぱーなことを言い出してついでに長期中…